46954854.jpg日本で劇場に足を運んだことがない人も、ニューヨークに来たのだから、ブロードウエイ・ミュージカルを観たいという人は多い。ガイドブックを見ながら、何を観ようかと悩む。最高のものを観るのには、公演がオープンした1年以内の作品にある。公演を成功させるために、オープン時には人気、実力のある役者を揃えるのだ。そしてその年のトニー賞で賞を取れば、大ヒットが約束される。残念ながらすべての新作公演が面白いというわけでもないので、どの公演が面白いかいろいろと調べなくてはいけない。今年度のトニー賞を取った「モンティ・パイソンのスパマロット」は、超人気でチケットが取れない。劇場が小さい「スペリング・ビー」も取りづらいようだ。私は「スペリング・ビー」を観たが、学生公演のようで面白くなかった。観客参加型で、場内のアメリカ人は喜んでいたが、役者がうまくないし、ウケを狙った演技が嫌いだ。日本の人には好まれないと思う。賞を取らなくても「恋にしびれて」は面白かった。また終演した「ブルックリン」もブロードウエイでたくさんのミュージカルが上演されずに競争が激しくなければ、生き残ってもおかしくない質、エンターテイメント性を持っていた。

トニー賞後に作品の評価が定まると、トップの役者は1、2年契約なので降りていく。受け継ぐ役者の質が大きく落ちるとは思わないが、ロングランしながら、質を保つことは大変なことだ。またミュージカルはその時代を表すものなので、長期ロングランされるものは、時代を超えたものとなったとはいえるが、時代は進んでいくので新作と比べるといろいろな点で古さを感じさせることが出てくる。ミュージカルの新しい動きを見るのには常に新作を観ていきたい。


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