チタ・リヴェラのダンサーズ・ライフ観光オフシーズンは、ブロードウエイのオフシーズンでもある。公演がこの時期に終演となることが多い。ウエスト・サイド・ストーリー、シカゴ、蜘蛛の巣女のキスなどに主演し、2度のトニー賞を受賞し、ディーヴァと呼ばれるチタ・リヴェラが自身の人生をミュージカル化した「ダンサーズ・ライフ」が、2月19日をもって終演することとなった。2005年12月11日にオープンしたこの公演はプレビュー公演20回、本公演72回で終了する。72歳のチタ・リヴェラは話題に欠くことなく、テレビなどで作品紹介をいろいろ観たが、残念ながら観客動員が思わしくなかった。

先日ロンドンからやってきたアンドリュー・ロイド・ウェバーのブロードウエイ・ミュージカル「ウーマン・イン・ホワイト」が2月19日の終演を発表した。1月には「オペラ座の怪人」でブロードウエイのロングラン記録を作ったあのウエバーの最新ミュージカルでも短命に終わってしまう。作品の質が問題というより、主演クラスの俳優の病欠の為、オリジナル・キャスト全員が揃っての公演がすくなかったことによるともいわれているが、とにかくブロードウエイは厳しい世界だ。

終演があれば、始まるものもある。アメリカで人気のカントリー・シンガー、ジョニー・キャッシュの曲を作品に取り入れた「リング・オブ・ファイアー」が、2月8日からのプレビューを始め、3月12日のオープンを準備している。1月19日からプレビューを始めているリバイバル「パジャマ・ゲーム」は、人気のジャズ・シンガーのハリー・コニャック・ジュニアを主演に迎えて、2月23日に正式オープン、6月11日までの限定公演。この作品は現在観客動員が高い。

3月には、エルトン・ジョンが音楽担当した、バンパイアの人生を扱った「レスタット」、ディズニーの新作「ターザン」、4月には、アース・ウィンド・アンド・ファイアーの音楽を使った「ホット・フィート」、1928年のミュージカル・コメディのリバイバル「ドロシー・チャペエロン」などがプレビューを開始する。この中でロングランとなることができるものはいくらあるか?