クーパー・ヒューイット・ミュージアムかつて大豪邸が並んでいた5番街も庶民の住宅ラッシュが押し寄せ、その雑踏を嫌った大富豪は本邸を広々としたところに移したようです。しかし大豪邸は、いまも美術館博物館として利用されている建物があります。

まず5番街からわかりやすいのは、フリック・コレクションと本人の名のついたヘンリー・フリック邸(1 east 70th Street)。彼は自分で集めた美術品を家ごと解放して、美術館にしました。フリックさんの豪邸は、鉄鋼業で競争していたアンドリュー・カーネギーさんが、1902年に建設した豪邸に対抗して、交差点20個ほど南に1914年に建築しました。フェルメールの絵を目的に訪れる人が多いです。

カーネギー・ホールの名にもなっているカーネギーさんの家(2 East 91st Street)は、4階建てで64部屋あります。豪華の一言です。歴代の大統領をもてなした場所でもあります。現在はクーパー・ヒューイットというデザインの美術館になています。

慈善事業家で学者のアーチャー・ハンティングトンのボワール・スタイルのタウン・ハウス(1083 5th Avenue at 89th Street)は、19から20世紀のアメリカン・アートのコレクションで知られるナショナル・アカデミー・ミュージアムとなっています。

近年史上最高額で落札されたクリムトの絵が置かれているノリエ・ギャラリーは、事業家のウィリアム・ミラーが1914年に建設させた、ボワール、ルイ12世スタイルの建築です。彼の死後はセントラル鉄道のコーネリアス・バンダービルト夫人が長年住みました。

金融王のJ.P.モルガンさんはというと、そうです、現在マジソン街にある、モーガン・ライブラリー(225 madison Avenue at 36th Street)として知られるイタリア・ルネッサンス・スタイルの建物は、元々彼の蔵書部屋で、その横の本邸とともに1906年に完成しました。彼の死後、その息子が図書館として一般に開放しました。

歴史的な家が博物館として残されている例は、いくつかあります。夜になると地元の人が集まるダウンタウンには、商人の家博物館(29 East Fourth Street between Lafayette Street & Bowery)があります。商人のシーベリー・トレッドウェルが1835年、家族を住ます為に購入したギリシア・リバイバルの家です。当時の生活様式が伺われます。

マンハッタンの北に目を向けると、かつてジョージ・ワシントンが独立戦争時に総司令部を構えたモリス・ジュメル・マンション(65 Jumel Terrace between West 160th & 162nd Street)があります。1765年に建設された12部屋のこの豪邸は、イギリス人ロジャー・モリスが住んでいましたが、独立戦争が開始されると、彼は帰国しました。独立戦争後は、イライザ・ジュメルが旦那のフランス商人ステッペン・ジュメルと住み、旦那が亡くなった後は、第3代副大統領のアーロン・バーと住みました。このイギリス風コロニアル形式で建てられた4階建ての家は、ナポレオンからイライザに贈られたベッドがあります。