アルゴンキン・ホテル老舗にはいろいろなお話があります。

1902年開業のアルゴンキン・ホテル。
ドロシー・パーカーなどのアメリカの作家が円卓を囲んで、会話がはずんたホテルとして知られています。

そしてお猫樣。

この度10代目となりました。
名はマチルダ3世。
女王です。
先代のマチルダ2世は15歳と高齢となり、ホテルのスタッフの郊外のアパートに引退した為、4歳の彼女が動物シェルターから迎えられました。

アルゴンキン・ホテルのお猫様は、この172室の老舗ホテルで自由に振る舞えます。
ロビーのイスで毛並みを整えたり、荷物運搬カートに乗って居眠りしたり・・・。

アルゴンキン・ホテルのお猫様の伝説は、1932年に始まりました。
ある雨の夜にロビーに入ってきたのです。
初代の猫は雄で、最初はラスティと名付けられ、
初代ホテル・オーナーのフランク・ケースが、10階の彼の部屋で飼い始めました。
ラスティは、ミルクをシャンペーン・グラスからでしか、飲まなかったそうです。

俳優のジョン・バリモアが、ブロードウェイでハムレットを演じている時に同ホテルに滞在し、ラスティという名前は平凡過ぎるということで、ハムレットと名前を変えました。

後継者のハムレット2世から5世の4匹の猫が1940年から67年の間、ホテルで生活しました。
カバン置き場のドアに彼専用の小さなドアが付けられたり、
地下室にブロンズの値札付きのトイレも設置されました。

1968年から1982年に君臨したハムレット6世は、ホテルのリノベーションの時に行方不明になってしまいました。
一説には、誤ってホテルの壁の中に閉じ込められたのではないかといわれています。
もし寒い、暗い夜に壁を引っ掻く音がしたら、それはまさしく・・・。

ハムレット7世(1982 - 1987)は、ある時ホテルを逃げ出しました。
ホテル・スタッフが、翌日近くのハーバード・ヨット・クラブの建物でメス野良猫と遊んでいる彼を発見し、連れ戻したというエピソードが残っています。

ついに女王君臨の時代となりました。
最初のメス猫はマチルダ(1987 - 1998)と名付けられました。
彼女は、宿泊客が帰る時、タクシーのドアが開いた隙に後部座席によく乗り込んだそうです。
スタッフが連れ戻す度に、当惑していたそうです。
晩年、彼女はホテルの客に嫌悪感を示していたそうです。

マチルダ2世は、まさに女王とした態度で、ほとんどの時をチェックイン・カウンター周辺で過ごしたそうです。
夏になると、外の鳩を追おうと企んだものでした。
また夜になると、ロビーを駆け回っていたそうです。

そして当代のマチルダ3世の近況は、早朝従業員用のエレベーターに乗って、13階で降りるそうです。
なぜいつも13階なのかはわかりません。