コレクト・ポンド


17世紀のマンハッタンにオランダからの移民が移り始めた頃から飲み水として利用されていたのが、現在ニューヨークの官庁街となっている地区にあったコレクト・ポンドという池です。1700年代も水はきれいで飲み水として利用され、池は移民の憩いの場となり、冬は凍った水面でアイス・スケートが楽しまれたと記録に残っています。

Collect Pond


人口が増加した1800年になると、この池に下水が流されたり、屠殺場が近くにできて水が汚染され始め、臭いやら衛生的に良くないということでこの池を埋めました。池の水は運河を作ってマンハッタンの東西、イースト・リバーとハドソン・リバーに流し出しました。この運河はのちに埋められ道路となり、キャナル(運河)・ストリートと呼ばれています。
この地区はパラダイス・スクエアとして人気となりましたが、元が湧水が出た池だったので地盤沈下が始まり、また異臭が発生し出したので、裕福な住民は静かな北の地区に引っ越しました。

Collect Pond


環境悪化は歯止めがかからず、1830年代までには低所得者や貧しい移民が移り住み、犯罪の巣窟となってしまいました。悪名高いファイブ・ポイントの誕生です。
アル・カポネやラッキー・ルシアーノなどのマフィアも活動した危険地帯はジャーナリストの告発から、1900年に差しかかる前にやっとニューヨークのお役人も動き始め、官庁関係の建物を建てることで、地域を一新しました。
コレクト・ポンドは現在官庁街の中の小さな公園となっています。