かつて危険地帯として、観光客は近寄るな、とガイドブックなどで注意されていた黒人の住居区ハーレムは、ニューヨーク市警や住民の努力、またニューヨーク人気が上手く働いて、年々安全になっています。
さらに歴史的な古い住宅に住みたいという人や交通の便がいいということで、他の市内の場所と同様に不動産は高騰しています。
長年住んでいると古いアパートの家賃は市議会が決める値上げ幅による値上げなので手頃なのですが、新しい住宅に入居しようとなるととんでもない家賃です。高所得でないととてもでないと住めない。でもニューヨークには高所得の人が多いんです。
高所得の人たちが入ってくるとレストラン、バーやカフェなどトレンディ系や人気のチェーン店も増えてきます。
メインストリートの125ストリートにスターバックスがオープンして話題を呼んだのはもう20年くらい前のこと。チェーン店のレッド・ロブスター、バナナ・リパブリック、H&Mなども根付き、最近はオーガニック系スーパーのホール・フーズもオープンしました。
チェーン店がコミュニティを壊し、どこの街も同じ風景になるという批判を受けて、チェーン店も利点をあげます。
ホール・フーズの開店は、近所にする住民約35人を含む200人の雇用を増やし、シルビア、ハーレム・パイ・マンなど12店以上のハーレム・ブランドのベーカリーやレストランの商品を販売し、オープニング初日の売り上げの5%をハーレムの非営利団体に寄付するというように地元への密着をアピールしています。
人気店の出店は、新しく住み始める高所得の若い人たちには魅力となるでしょうが、昔から住む黒人の住民は、黒人文化のハーレムらしさがだんだん無くなっていくと、嘆いています。